出会いと別れの真ん中で
浦和のCWCが終わり、全チームオフへと入りました。浦和さんお疲れ様でした。マウリシオ、長澤は浦和の宝。
さてそんなことは置いといて、別れの季節ですね。まずは清水貴文。
いつも通り、クラブの発表がない別れ。いつの間にか契約満了、トライアウトを受けていましたね。
確かに今の磐田に彼のポジションは保証されていない。ウイングバックをやれるほどの守備力を計算できるか、シャドーとして松浦、昌也、荒木などがいる中で割って入れるか。色々考えたら確かにスタメンどころかカップメンバーだって危うい。
クラブが発表しなかったのは疑問符が付くが、この別れは致し方ないのでは…?と思う。
決して彼が力不足ということではない。まだ若いし、彼のドリブル突破は魅力的である。出番があるチームで力を示して、上に戻ってきて欲しい。
さらに川辺駿。
3年間で91試合に出場。ここぞという時に得点をしてきた若いボランチ。名波チルドレンの申し子として昇格、残留、そして今年のチームの躍進に大きく貢献してきた。J2時代、11月の味スタ。この試合で彼はヒーローとなった。
光るパスセンス、ダイナミックな攻撃参加、高いシュート精度。成長曲線は右肩上がりの22歳も、最初はインアウトをするような選手だった。
それでも彼は挫けず、目に見える成長を見せ、磐田を上へ上へと押し上げてきた。
そして今年、彼は更なる飛躍を遂げた。ゴール数が増え、前に出てくる回数も1段と増えた。夏場、彼の走力は相手の脅威となり磐田の心臓になっていった。
しかし流石にJ1。スカウティングされ、彼が前に走るスペースは日を追う事に消されていく。彼の中で迷いが生じたのか、判断やプレーにも精彩を欠いたように見えてしまった。
さらに上原力也の台頭、レンタル元の広島の結果が振るわなかったこと。正直帰る予感はしていた。
それでも彼は
毎試合ジュビロ磐田の一員として戦いました。ここでの思い出は一生宝物です!3年間ありがとうございました!
こう述べた。
磐田の戦士として、ここまで成長してきたこと。チームを引っ張ってきたこと。磐田のサポーターとしてそれが嬉しかった。
広島を上へ引っ張り、代表へと上り詰めてくれ。それが僕らへの最高の恩返しとなるだろう。
そして今日、斎藤和樹の岡山への移籍が発表された。
彼が移籍してきた時、「得点王になる男が来た」僕はこう思った。
熊本でのプレー、FWとして一番重要な『シュートの上手さ』という能力に長けていた彼を見て、惚れないわけがなかった。
しかし2016シーズン。絶対的エースのジェイ・ボスロイドという男の前に、彼は出場機会を失ってしまう。
それどころではない、磐田の攻撃がとにかく前に放り込むサッカーになっていた。それはそもそもジェイというターゲットがいたから成り立っていたもの。J2のストライカーは、チームの攻撃の中心にはなれなかった。
しかし僕は彼に期待していた。今シーズン、川又堅碁や中村俊輔という選手の加入により、彼を活かすことが出来ると思っていた。
前からの献身的なファーストプレス。ボランチのようなスタミナと走力。シュートの上手さと優れた状況判断力。ルヴァンカップの柏戦で彼が小川航基を助けたと言っても過言ではない。
カップ戦ではしっかり結果を残していた。それは彼が壁に当たっても挫けずに努力をしていた結果だろう。
しかしリーグ戦では2年間ゴールなし。切るタイミング。移籍のタイミングはここだった。
彼はJ1でも戦える。相方や戦術にハマらなかっただけだ。いつか「なぜ放出したんだ」と言わせる選手になって、磐田を苦しめるような選手になってほしい。
別れは悲しい。しかしその悲しみを引きずっていくのではなく、選手の背中を押してあげる。そしていつか、移籍していった選手が「磐田で学んだことが生きている」そう言ってくれることを願うばかりだ